大人二次小説(BLGL・二次15禁)

文スト 太中 (急に終わるかも)
日時: 2018/11/29 23:48
名前: ハフェズ

文ストの小説、太宰×中也を書こうと思います

主に双黒のお話になります
微エロ注意です(一応)
軽く行為を示唆する表現があるかもしれません
ご注意ください

また、太中苦手という方はご遠慮ください
判断などは自己責任でお願い致します


【2016.3/7 参照1000突破致しました!ありがとうございます!】
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お互い ( No.7 )
日時: 2015/11/02 02:13
名前: ハフェズ



チッ。中也の舌打ちが薄暗い部屋に響いた。どうやら、此れ以上の詰問は無意味であると言う考えに至ったらしい。私は満足してにぃと笑った。
夜ももう遅い時間で、昼間はそこそこ賑やかな街もすっかり静まり返っていた。起きて居るのは猫と鼠と私たちくらいのものだろう。月だけが、己を五月蠅く主張して居た。
暫く黙って突っ立って居た中也が、不意に手を伸ばそうとして、しかしその手を止めた。表情も変えず手も全く動かさなかったとは言え、私には、彼が何をしようとして辞めたのかが瞬時に理解された。
「…やめるの?」
「…あ?」
中也が、何が?と言う表情で訊いてくる。
「今煙草を吸おうとしただろう?」
「あぁー…、いや。別に」
「嘘」
私には解るんだから。
「機嫌が悪い理由は其れだね。大方、今日川に飛び込んだ時に駄目にしたんだろう。私を助けたりするからだよ。ほら、其の背中の傷だってそう」
「殆どそうだが…一寸違うな」
「まぁ、私にはそんな事どーでも良いけど!」
「良かねぇよ。手前今度の任務中に自殺でもしたら、マジでぶっ殺すからな」
「生かしたいのか殺したいのか、何方なの?」
「任務中に面倒起こして俺の仕事をいたずらに増やすンじゃねぇって事だ」
中也が顔だけ此方に向けて、釘を刺す様に言い放った。
「助けようなどと思うからそうなるんだ。私の事など放っておいて呉れれば良いのに」
「手ン前ぇ、よくもぬけぬけと…!」
再燃する怒りに中也が腕を震わせる。私は尚も飄々として、
「頼んだ覚えは無いんだけどねぇ」
「ンな事っ!」
「あーでも中也は大変そうだよね。毎度毎度川に飛び込む羽目になって。御苦労様、給料が増える訳でも無いのに」
全く、其の通りだ!と言って中也が殴り掛かって来ようとするのを防ぐ様に、私は思い付いた様に叫んだ。

お互い ( No.8 )
日時: 2015/11/03 12:04
名前: ハフェズ




「あ!そうだ!」
「ああ!?今度は何だっ!!」
「うふふふ。私は良い事を思い付いてしまったよ」
今にも襲い掛かって来そうな中也を手で制す。私は人に何かを自慢する時の様な調子で続けた。
「今度の任務、もし私が中也の足を引っ張る事なく無事任務を遂行する事が出来た其の暁には、私への御褒美≠ニして、中也を一日中私の好きに出来る!って言うのは如何?」
「…っはぁぁ!?!?如何考えても其れは、手前だけが得な話じゃねぇか!!」
「但し、私が中也の邪魔になる様な事をした場合には、逆に中也が一つだけ私に命令出来る」
「っ何か、俺の方が損してるだろうが!!」
「そう?」
今度は、誘う様な表情で。
「何時も迷惑事を押し付けて来る私に、一つだけなりと雖も命令する事が出来るんだよ?」
「っ」
「この私に、自分の言う事を聞かせる事が出来る。
中也にとっては又と無いチャンスだと思うけどなぁ」
「くっ…」
中也は眉間に皺を寄せながら、必死に己の欲と戦っているみたいだった。
中也は必ず此の話に乗る。私は確信して居た。
「別に中也が厭だと言うなら、私は其れで良いんだけど…」
「ちょ、一寸待て!」
慌てた様に中也が言う。私はにやけそうになるのを何とか堪えて居た。
早くして、中也、もう君の答えはバレバレなんだから!
「…わかった。手前が其処まで言うんなら、仕方ねぇ。…乗ってやっても良い」
終に中也が、己の欲に敗けてそう言った。
満面の笑みを私は湛える。其れから弾む口調でこう言った。
「此れで決まりだね。嗚呼、明日の任務がが楽しみだ!」

Re: 文スト 太中 ( No.9 )
日時: 2015/11/08 13:13
名前: ハフェズ




お愉しみは最後まで取っておくものだよ。太宰が言った。
「さ て と 、明日に備えて今日はもう寝ようかな」
「…」
俺になんか目もくれず、太宰は寝室へと向かった。いつもなら俺の方が先に寝室へ行く所だ。太宰はいつも遅れて入って来る。何をしていて遅くなるのか。態とか?そんな事、如何でも良いが。
だから太宰よりも後に寝室に入る、と言う事には慣れて居なかったし、況してや太宰が寝ているベッドに入り込むなど、得体の知れぬ緊張感が俺を襲った。
ぎこちない手付きで掛布団を捲ると、太宰がもぞもぞっと動いた。たった其れだけの事に心臓を飛び出させる程反応し、一瞬ピタッと動きを止める。此奴、起きてやがるのか?俺の反応を愉しんでんじゃねえだろうな…。
太宰の少しの動きにも過剰に反応しながら、俺は何とか布団に足を滑り込ませた。太宰に背を向けじっとする。
斯うしていると、背後の太宰の様子が凄く気になった。
太宰は、俺の寝るベッドに潜り込んだ後、決まって俺に抱き付いて来た。嫌がっても煙たがっても辞めなかった。俺はそんな太宰を、鬱陶しくさえ思った。
しかし斯うも太宰が静かだと…。一寸不安でもある。
若しかして、太宰は任務を遂行する迄指一本俺に触れない心算なのだろうか。そう言えば太宰の奴、寝室に向かう前、お愉しみは最後までどうたらこうたらと言っていた様な。真逆…。あの台詞は、嗚呼、斯う言う意味だったのかと、今更ながらに気付かされた。
もう良い。もう、寝て仕舞おう。
目蓋を閉じて、寝ようとした。逸る心臓もいつの間にか落ち着いて来た。
後、もう少しで。もう直ぐ夢の中へ行けたのに。
あの太宰が俺を気持ち良く夢の世界へと行かせて呉れる筈など…無かった。
「中也…」
「うぉ…っ!!」
今度こそ、心臓が何処かへ飛んで行くかと思った。ビクッと躰は飛び跳ね、眼は一気に醒めて仕舞った。
「うふふ…そんなに愕かなくても。ねぇ、此方を向いてよ」
「な、何で」
「良いから。…変な事はしないよ」
最後の言葉は少々怪しかったが、俺はゆっくりと躰を反対に向ける事にした。
俯いている顔を少し上げると、其処には優しく微笑んだ太宰が居た。
「っ…」
「ほら、何もしないだろう?」
「何で…手前は…」
「うん?中也はあの侭、私に続けて欲しかったのかな??」
「ち、違ぇよ」
「…悪いね。中也には指一本触れる心算は無いよ。…今は」
太宰はふふ、と笑った。何故だろう?ドキドキするのは、気の所為か…?
「私は明日早目に出勤するから。君はゆっくり来ると良い」
太宰の紳士振りが不気味だ。俺は気がおかしくなっちまったのかも知れない。
「…あぁ」
「中也、」
「ん…?」
全く俺は如何しと言うんだ。
「おやすみ」
にっこりと、太宰が笑う。
何時ぶりだろうこんな顔を見るのは。
こんな、何処までも純粋な此奴の笑顔は…。糞っ。
「…おや…すみ」


少しでも、格好良いなどと思っちまった。此れはきっと気の迷い。

お互い ( No.10 )
日時: 2015/11/10 01:05
名前: ハフェズ



朝起きると、既に太宰の姿は無かった。きっともう行ったんだろう。
時計を見ると六時前だった。中也は適当に朝食でも作ろうと、ベッドを降りて寝室の扉を開いた。ふわ、とトーストの香ばしい香りと珈琲の香りとが鼻を抜ける。見るとテーブルの上には綺麗に朝食が並べられていた。
中也は首を傾げた。一体、何時作ったのだろう?丸で今さっき作られたかの様に、トーストと珈琲からはゆらゆらと湯気が立ち上っていた。そして其の香りに食欲を掻き立てられてか、中也の腹がぐうと音を立てる。
「腹減ったな…」
中也は細かい事を考えるのを辞め、食卓に着くことにした。
トーストと珈琲と、もう一品。今日はハムと…これは多分、スクランブルエッグだな。不恰好な太宰の料理に、中也はひっそりと笑った。
「戴きます」
スクランブルエッグだと思われる卵料理は、見た目に反して中々美味しかった。トーストの焼き加減も絶妙で、かぶりつくとサクッと良い音を立てた。只、ブラックだと思って飲んだ珈琲は、酷く甘かった。太宰の野郎…と、誰も居ない部屋で中也はぼやいた。

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