大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 文スト 太中 (急に終わるかも)
- 日時: 2018/11/29 23:48
- 名前: ハフェズ
文ストの小説、太宰×中也を書こうと思います
主に双黒のお話になります
微エロ注意です(一応)
軽く行為を示唆する表現があるかもしれません
ご注意ください
また、太中苦手という方はご遠慮ください
判断などは自己責任でお願い致します
【2016.3/7 参照1000突破致しました!ありがとうございます!】
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- 真夜中のティーパーティー ( No.87 )
- 日時: 2016/03/13 17:04
- 名前: ハフェズ
数日前の話だった。その日太宰は死ぬ程退屈であった。
仕事は夜から。書類はあって無い様なもの。チェスにも音楽にも飽きて仕舞ったから、執務室に居る意味も無い。故に、太宰は建物の外(でも一応マフィア敷地内)をぶらぶら彷徨っていた。しかしその内歩くのにも疲れて、適当に人のいなさそうな場所を見付けては誰かさんから逃れる様に身を潜めた。其処は偶に近くを下級構成員が通り過ぎる位で、何も無い。暇を潰せるものが皆無なのだ。
これと言ってする事が無い。退屈だ、暇だ、楽しくない…。
河を探すのも面倒だ…ああ、もう、動きたくない。
倦怠の化身が其処らから腕を伸ばして、太宰を陰に押し付ける。
実に生気を失った像−カタチ−だった。『無』は人をこうもだめにするのかーー
『かくれんぼ?』
全く気配など感じなかった。だが、目の前には確かにヒトがいた。
不意に発せられた声に、彼は素直に吃驚した。
ーー闇に染まって、見えなかったのか。
彼女が着ていたのはフリル付きの、眼にも鮮やかな朱色のワンピースと、それに合わせた朱色のくつ……そして、金色に艶めく髪の間で光るのは、碧眼。
ーー染まっていたのは服じゃない。彼女自身だ。
『わたしもたいくつなの。なにか話して?』
有無を言わせぬ瞳だった。太宰は内心ヒヤリとさせられたが、同時に面白いとも思った。
それでは…退屈嫌いの御嬢様に、とびきりの御噺を、幾つか。
太宰は座ったまま話し始めた。少女の顔にもまだ笑みが残っていたのを憶えている。少女もまた、太宰の正面に腰を下ろし、両膝の前で手を組んだ。
その御噺≠ェ、身の毛もよだつ様な怪談≠ナあった事はーーー言うまでもない。
- Re: 文スト 太中 ( No.88 )
- 日時: 2016/03/13 17:12
- 名前: ハフェズ
紺子さん
お久しぶりです。来てくださって、とても嬉しいです!
お話が楽しかったとのことで…
気に入っていただけたのでしたら、これ以上の喜びはありません
まさに冥利につきます
テストがあったのですね…それは忙しいことと思います
どうか体調にはお気をつけて、万全の体調で臨まれてくださいね
こんな私の書く小説ですが、僅かながらでも紺子さんの癒しとなれば良いなと思います
ぜひまたお越しください(^^)
- 真夜中のティーパーティー ( No.89 )
- 日時: 2016/03/18 02:01
- 名前: ハフェズ
「ーー太宰?」
名前を呼ばれて漸く太宰は物思いから覚めた。
二人は家の扉の前に居て、丁度、中也が鍵を開けた処だった。
「ん、呼んだ?」
「さっきから呼んでンだけど。何だ、考え事でもしてたのか」
中也に訊かれて初めて、太宰は自分の意識が別の世界に飛んでいた事に気が付いた。ぼんやりとし過ぎていて、自分でも何を思っていたのかよく判らなかったのだが、取り敢えず曖昧に笑みを返しておくと、中也は特に気にするでもなく中へ入って行った。
私は何を考えていたのだっけ。
躰は此処に在るのに、丸で心は此処には無いみたいだった。上手く思考回路を繋げられない。でも、あまり気分の良い内容のものではなかった様な気がするなぁ。
外套を引っ掛け普段室内で過ごす軽めの格好になったと言うのに、再び物思いに沈んで行こうとする太宰。其奴を横目で見、中也は小さく溜息を吐いたが彼の好きにさせておいた。そして今日は疲れたしもう寝ようかなどと考える。夜も結構良い時間だ。
ちらっと眼に入ったのは、多分何かのチラシだった。良く目を引く様にと、赤や青で派手に色塗られたそれを見て、記憶の中の誰かと重なる。
ねえ、オサム
あの時、袖を引かれて、振り向き様に彼女が言った言葉はーー
『 わたしを リヨウ したの? 』
淀みなき瞳は一方で光を映していなかった。
“リヨウ”と言う一つの単語が、妙に脳にへばり付いて離れない。ーー勿論、太宰は彼女をリヨウした心算は無かった。あれは偶然に偶然が重なった産物であって、詰まりは偶々賭けに勝っただけの事なのだから。けれども引っ掛かったのは、その点ではないのだ。
エリスは自分がリヨウされているとーーあくまで彼女の視点でーー解っていた。その上で、今日の様に振る舞い、見事彼女自身も有名店のケーキ≠ニ言う褒美を手に入れて見せたのだ。最初からそう言う結果≠見越して購入したとは言え、彼女の思い通りに動いていたのかも知れないと思うと「何だかなぁ」と思えてならない。太宰はエリスに只ならぬものを感じた。矢張り、エリスはあの首領が文字通り盲愛する幼女なのだ。只の一般の幼女だと思って油断してはいけない。
「ねえ、中也」
すっかり考え事は終わったと言う風に中也の名前を呼ぶ。やっと口が利けるのかと何処か安堵した様子だ。
「何だ」
「首領に休みを貰ったからね、今度二人で出掛けよう」
休みィ?中也は小首を傾げた。
「そう。しかも有休だよ、文句無しだろう?」
「ハッ! マフィアが有休なんざ、笑わせる」
太宰はにやりと笑った。中也も釣られて笑みを零す。
但し、私の左脚が治ってからね。太宰の台詞に中也は「そういや手前も俺も怪我人だったなァ」と他人事の様だった。正直、自分が傷を負っている事を忘れ掛けていた。
紺桔梗に染まる空は美しく。薄く溶けて仕舞いそうな雲が悠々と高みを流れる。
その夜空を、二人は知らない。その日が完全なる盈月であると言う事も、また。
彼らの知らない間に、蒼は次第に色を変えて行く。
夜明けはーーーまだ、遠い。
「あ、そういや手前、ケーキは良かったのか?全部置いて来ちまって…っておい、太宰何処行った」
「ふっふっふ、じゃーんっ!」
「!これ、ケーキ…か!?」
「もう無いと思ったでしょう?それがあるのだよ!二つだけ別に購っておいた」
「って事は…最初からそう言う計画だったってか」
「御名答」
「…成る程な。手前らしいと言えばそうだ」
「それは褒め言葉として受け留めておくよ。さあ、珈琲でも淹れないかい?」
fin 《 真夜中のティーパーティー 》〜後日談〜
- Re: 文スト 太中 ( No.90 )
- 日時: 2016/03/18 16:30
- 名前: ハフェズ
どうも、閲覧いただきありがとうございます。
後日談になります《真夜中のティーパーティー》もめでたく完結致しました。相変わらず分かりにくい文章で、本当に申し訳ないです。と、言う事で、解説のようなものを記しておこうと思います。解説なんて無くても分かるよ!と言う方がおられましたら、どうぞ流していただいても構いません。
まずエリスちゃんについてですが、彼女が真夜中にも関わらず目が冴えていたのは、その日お昼寝をしていたからです。お昼寝をした理由は、前の晩によく眠れなかったからで、よく眠れなかったのは太宰さんから怖い話を聞かされたために夜寝るのが怖くなったからでした。これは、エリスちゃんはきっと怖い話が苦手だ≠ニ言う私の身勝手な想像から生まれた設定です。恐怖のあまり泣き出しちゃったりしてたら可愛いな……私にとっては、全てを知った上で演技をするエリスちゃんの方が恐怖なのですが。
最初に投稿したお話のタイトルは、《お互い》だったと思います。どうしてそのようなタイトルを選んだのか、私自身もよく思い出せませんが、太宰さんと中也がお互いに包帯を巻き合っている場面から物語が始まるので何となくそうなったのだと思います。今思えば、もっときちんとしたタイトルをつけておくのだったと僅かな後悔もありますが、まぁあれはあれで良いのかなとも思っております。元来ものの名前を決めるのが苦手な私なので、悩んだところで納得のいくタイトルを思い付いていたとも限りませんし…笑 ただのお話のおまけ程度に思っていただいてOKです。
後日談の《真夜中のティーパーティー》は、その名の通りエリスちゃんが夜中にパーティーを開くお話でした。ここでも私のネーミングセンスの無さが光ります。双黒以外の人物も出したいなと思って書き上げました。結果的に森さんとエリスちゃんを登場させる事になりましたが、いまいち二人を活かしきれていない、と言うのが私の感想です。原作の二人はもっと生き生きしているのに…。まだまだ私も未熟者と言う訳ですね。
しかも、《真夜中のティーパーティー》では最後に中也と太宰さんが休みを貰って出掛ける事になっています。本当はその先も書こうかとも思ったのですが、集中力が切れてしまい、結局書きませんでした。いつか、(気が向けば)再び後日談として書きます。(多分)
はい、では、次に何を書くのか?
まだ具体的な内容は決まっておりませんが、新しいお話を書き始める予定です。《お互い》や《真夜中のティーパーティー》とは別のお話です。個人的には、クールな太宰さんor中也が書きたいな、と。
今度もまた、大変な回り道をすることでしょう。
お付き合いいただければ、幸いです。
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